- ◇GPIFが「優れたサステナビリティ開示」89社と「改善度の高い開示」66社を公表
- ◇「優れた開示」は味の素、伊藤忠商事、日立製作所、ソニーグループなどが評価を得た
- ◇選定にあたってはマテリアリティと企業価値向上の関係などが評価された
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は3月17日、株式運用を委託する運用機関がマテリアリティの観点から選んだ「優れたサステナビリティ開示」89社と、「改善度の高いサステナビリティ開示」66社を公表した。
伊藤忠商事、日立製作所、ソニーグループなども高評価
GPIFは運用機関に対して、エンゲージメントに役立ったかという観点で最大10社を挙げるよう依頼し、23機関から回答を得たという。前年度までは「優れた統合報告書」「優れたTCFD開示」などの選定を依頼していたが、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が定めるSSBJ基準(サステナビリティ開示基準)による法定開示が2027年3月期以降、段階的に適用開始されることを見据えて、今回から一本化したという。
「優れたサステナビリティ開示」で4機関以上から高評価を得たのは、味の素(8機関)、伊藤忠商事(7機関)、日立製作所、ソニーグループ(各6機関)、積水化学工業、東京海上ホールディングス(各4機関)だった。「改善度の高いサステナビリティ開示」では、JR東日本が4機関から選ばれた。
味の素については、同社の事業を通じて社会価値と経済価値を共創する取り組みを指す「ASV(Ajinomoto Group Shared Value)」を軸に、「マテリアリティを社会価値と経済価値の連動として明確に開示」している点などが評価された。
伊藤忠商事には、統合報告書が「将来像を示すメッセージ性を明確化し、価値創造の仕組みと実践に関する記載内容を毎年ブラッシュアップしている」などのコメントが寄せられた。
「優れたサステナビリティ開示」89社のうち、複数機関から選ばれた企業は次の通り。
アサヒグループホールディングス、味の素、マツキヨココカラ&カンパニー、旭化成、レゾナック・ホールディングス、積水化学工業、野村総合研究所、アステラス製薬、中外製薬、エーザイ、日本ペイントホールディングス、リクルートホールディングス、荏原製作所、ダイキン工業、日立製作所、富士電機、富士通、ソニーグループ、TDK、トヨタ自動車、HOYA、アシックス、イトーキ、伊藤忠商事、三井物産、東京エレクトロン、三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ、東京海上ホールディングス、三井不動産、三菱地所、JR九州、ソフトバンク
GPIFが公表した運用機関からのコメントには、「サステナビリティの取り組みについて、現時点の説明にとどまっているケースもある。できれば、課題となっていること、今後の取り組み予定など含めてより良い取り組みにつながる開示に期待する」「マテリアリティを重視したサステナビリティ開示において最も重要なのは、企業にとって真に価値創造につながる取り組みを特定し、開示することだ」といった声があった。

朝日新聞SDGs ACTION!編集長
2009年に朝日新聞社入社。京都、高知の両総局で勤務後、東京・名古屋の経済部で通信、自動車、小売りなどの企業を取材。2021年にSDGs ACTION!編集部に加わり、副編集長を経て2024年4月から現職。 竹山栄太郎の記事一覧
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