国産コーヒーは超希少

2023年2月12日

国産コーヒーの実の収穫や豆の加工、焙煎、淹れ方なども体験した参加者たち=12日、伊仙町(宮出珈琲農園)

観光ツアー商品化有望
伊仙町主催 珈琲農園体験に15人

 【徳之島】伊仙町主催の「コーヒーの木一本まるごと体感~珈琲農園体験~」が12日、町内で国産コーヒーの栽培と製品化に取り組んでいる「宮出珈琲園」(宮出博史代表)のコーヒー園であった。定員の15人が参加。コーヒーの実の収穫体験やコーヒーの木の葉を活用した発酵茶、豆の焙煎、おいしいコーヒーの淹(い)れ方などを体験。希少性も再確認した。

 地域住民の自然環境の保全に対する意識の醸成に―と同町きゅらまち観光課が企画。講師の宮出さん(46)=大阪府出身=はコーヒー販売企業に約10年間勤務後、2019年4月から伊仙町地域おこし協力隊に3年間参加。町の国産コーヒー産地化に協力。任務終了後は「宮出珈琲園」を設置し、現在、町内外でコーヒー園計約4㌶(約2000本栽培、うち収穫成木約300本)を運営。豆にとどまらず葉も活用した発酵茶も商品化。ふるさと納税返礼品にも活用されている。

 体験会は、同町総合体育館近くに設置しているコーヒー園(ブラジル系品種・イエローブルボン)であった。宮出さんは「栽培を手掛けて11年目でいかにして実をつけさせるか課題解決が見えてきた」とも。豆の収穫期は12月~4月で遅いほど味が良いが、今期は残念ながら開花期(昨年2、3月)の日照不足や多雨傾向に加えた(大豊作翌年の)〝超裏年〟で「大不作」とも。

 参加者たちは、幼木から約5年後に実がつくことなど説明を受けた後、黄色く熟した果実コーヒーチェリー(約1㌢)を探し、宝物のようにカップに収めた。収穫した果実の重量に対する焙煎豆(製品)の歩留まりは「わずか10分の1」という国産コーヒーの〝希少性〟にも驚いていた。

 大阪から同町にIターンして同町直売所「百菜」(伊仙)運営を担当し、地場産コーヒーの販売にも協力している盛田一成さん(44)は「販売する側として、地場産コーヒーの生産過程も知りたかった。こうした催し事態が観光のツアー、まちおこしにつながると思う。昨年、東京からいらしたバリスタの皆さんも国産コーヒーは味もあり貴重だと話していた」とも。

 現地体験会では、果実の簡易皮むき機や焙煎機、理想的なコーヒーの淹れ方の実演、試飲会も行われた。

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