コーヒーやグッズは本物を輸入して販売… スターバックス、イラクで無許可営業の「スターバックス」を訴える
ニューヨークのスターバックス。
Ramin Talaie/Corbis via Getty Images
- スターバックスは、同社の許可なくイラクで営業しているスターバックス3店舗を閉鎖させるべく訴訟を起こした。
- イラクの店舗のオーナーは、ライセンスを取得しようとしたものの認められなかったので「ダメ元でやってみることにした」と話している。
- イラクの店舗で販売されている本物のスターバックス商品は、トルコやその他のヨーロッパ諸国から輸入されたものだという。
イラクの首都バグダッドにあるスターバックス3店舗が訴えられた。無許可で店を営業し、本物のスターバックスのコーヒーやグッズを販売して商標権を侵害するなどしたという。
スターバックス側は店舗の閉鎖を求めて訴訟を起こしたが、店のオーナーはスターバックスの弁護士を脅したと伝えられていて、裁判は進んでいないとAP通信は報じた。
無許可で店を営業するオーナーのアミン・マクスシ(Amin Makhsusi)氏は、自分は「民兵組織や有力な政治家とつながりがある」とスターバックスの弁護士に伝えたとアメリカとイラクの情報筋はAP通信に語った。マクスシ氏は事業を10月に売却したと話しているが、店は今も営業を続けている。
マクスシ氏は弁護士を脅したことを否定し、自分はクウェートにあるスターバックスの中東の代理店に許可を求めたが、拒否されたとAP通信に話している。また、アメリカの関係者を通じてスターバックスに話をしようと試みたものの、接触できなかったとも語っている。
「ダメ元でやってみることにした。結果は受け入れる」とマクスシ氏は話していて、スターバックスと話し合うためにバグダッドの弁護士に「相談した」が、スターバックスとは「解決に至っていない」と付け加えた。
AP通信によると、カップやマドラー、ナプキン、その他のスターバックスの人魚のロゴが付いたグッズはトルコやヨーロッパのマクスシ氏の関係者から輸入しているという。
スターバックスの広報担当者は「バグダッドにある店舗はスターバックスが営業しているものでも、ライセンス契約によってビジネスパートナーが営業しているものでもなく、次の措置を検討している。スターバックスは独自のブランド、知的所有権の構築のために相当の投資をしてきており、その独占権を保持するためにはわたしたちの権利を侵害する者から知的所有権を守る義務がある」とInsiderにコメントしている。
AP通信の取材に匿名を条件に応じた3人の情報筋は、スターバックスは2020年の初めに代理人を雇ってマクスシ氏に停止通告書を送付したものの、マクスシ氏は弁護士の1人に対し、自分には民兵組織や政治家の後ろ盾がいるから気を付けろと警告したと話している。
「彼らはリスクが高すぎると判断し、裁判をストップさせた」とイラクの情報筋はAP通信に語った。
マクスシ氏は「武装勢力を含め、わたしはイラクのあらゆる人々と友好的な関係を築いている」とAP通信に話した。
「わたしはビジネスマンだ。イラクの状況はビジネスにとっては不安定なことから、トラブルを回避するにはこうした人間関係が必要だ」
イラクで商標権侵害と戦っているのは、スターバックスだけではない。十分な規制がない中、エネルギー分野以外での経済拡大を目指すイラクでは、こうしたケースが増えているとAP通信は報じている。
「イラクがエネルギー分野以外の経済の多角化を図り、知識集約型産業への外国投資を誘致する中、企業が保有する特許や知的財産は政府によって尊重され、保護されると分かっていることが重要だ」と全米商工会議所の中東問題担当のバイスプレジデント、スティーブ・ルーツ(Steve Lutes)氏はAP通信に語っている。
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