JR東のイノベーション自販機、6年でお役ご免 残念がる声も

毎日新聞 2023/9/26 15:04(最終更新 9/26 15:05) 822文字
9月末から順次サービスを終えるイノベーション自販機=東京都武蔵野市のJR吉祥寺駅で2023年9月21日午後2時33分、早川健人撮影 拡大
9月末から順次サービスを終えるイノベーション自販機=東京都武蔵野市のJR吉祥寺駅で2023年9月21日午後2時33分、早川健人撮影

 JR東日本の駅構内に設置された大型液晶画面付きの飲料自動販売機「イノベーション自販機」と、連動するスマートフォンアプリを使ったサービスが9月末から順次終了する。30本買ってポイントをためると、最高で180円分の商品1本と交換できる人気サービスもなくなるため、利用客から残念がる声が広がっている。

 2017年に設置が始まり、現在では青森県から静岡県までの1都16県の駅で約400台が稼働している。全面が黒色で、季節のおすすめ商品や売り上げランキング上位の商品を動画や静止画で紹介するほか、スマホアプリ「アキュアパス」とも連動。利用客は事前にアプリで購入手続きを済ませ、自販機にスマホをかざして商品を受け取れる。まとめ買いやタイムセール、定額料金で毎日1本受け取れる「サブスク」など、これまでの自販機に無かったサービスが売りだったため「イノベーション」(技術革新)と命名した。

 JR東の100%子会社「JR東日本クロスステーション」によると、サービス終了の理由は機械の耐用年数だ。この1世代前の、10年に導入して「顔をカメラで認識して年齢や性別を判断して、おすすめ商品を大画面に表示する」ことで当時は話題を呼んだ「次世代自販機」も、やはり6~7年で「お役ご免」になったという。

イノベーション自販機と連動したスマホアプリ「アキュアパス」の画面=早川健人撮影 拡大
イノベーション自販機と連動したスマホアプリ「アキュアパス」の画面=早川健人撮影

 ためたポイントによる商品交換は9月末で終了。その他のサービスも24年3月末までに終わり、自販機本体も25年度末までに交換され、姿を消す。既に撤去が始まった駅もあり、ネット交流サービス(SNS)上では「ドリンクを引き換えられる場所が見つからない」「何を最後の交換飲料にするか考えます」などの声が出ている。

 同社は自販機だけでなく、駅ビルや駅ナカの商業施設、コンビニエンスストアなどを運営している。近年は菓子や雑貨、豚まんやピザなど冷凍食品の自販機も駅構内に設置しており、「今後新たなサービスを開始予定で、決まり次第ご案内します」と「次の一手」を予告している。【早川健人】

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