毎日新聞 2023/11/29 19:36(最終更新 11/29 19:36) 644文字
スターバックスコーヒージャパンの店舗で働く従業員らが29日、労働組合「スターバックスユニオンジャパン」を結成したと発表した。同社従業員による労組結成は初めてとみられ、今後他社も含め全国のカフェで働く従業員に参加を呼び掛けていくという。
結成は11月1日付で、現在の組合員は3人。賃金の引き上げ▽人手不足の解消▽多様な性を表すバッジなどアクセサリーの着用許可▽レジへの椅子の設置▽留学後の復職制度の設立――などを同社に求めている。
Advertisement結成メンバーの一人で、東京都内の店舗で正社員として働く川端蒼流(そうる)さん(23)は同社の障害者雇用制度で採用され、月給は手取り約16万円という。加入する「首都圏青年ユニオン」によると、今年7月に賃金引き上げなど同趣旨の要求書を同社に送り、団体交渉も実施したが、すべての要求内容を拒否されたという。
29日に東京都内で記者会見した川端さんは「賃金が低く生活が厳しい。私だけではなく、他の人も安心して働ける職場にしたい」と訴えた。
同じく組合員の前田そらみさん(23)はアルバイトとして4年間働いたが、留学をするために退職を決めた。帰国後も働くことを希望しているが、前田さんは「(賃金などが)ゼロからのスタートになってしまう。留学する学生にとって大きな問題だ」と、復職制度の必要性を強調した。
労働組合では今後、インスタグラムなどのネット交流サービス(SNS)で情報発信するほか、首都圏青年ユニオンのホームページで労働相談を受け付けるという。【藤沢美由紀】