ビジネスパーソンの顔とも言える名刺。それを収納する名刺入れも、大切な仕事道具のひとつです。どんなものを使うかで、初対面の相手に与える印象も大きく変わってくるでしょう。
ユニークなデザインで、名刺交換の際に話題を生んでくれそうな名刺入れをお探しなら、「L'ora blu」シリーズは要注目な存在です。第二弾のアイテムとなる「Orizzonte #02 名刺入れ」は、イタリアの国際的なデザインアワード「A'Design Award」を受賞。
廃棄される魚の皮をアップサイクルし、その美しい鱗模様を“海の波”、手染めのグラデーションレザーを“変わりゆく空”に見立てて製作されており、単なるアクセサリーにとどまらない、芸術作品のような趣まで備えています。
着想のきっかけは「ブルーアワー」に
製作を手掛けるのは、釣り人向けのアパレルを中心にフィッシングライフスタイルを提案するブランド・Bywater(バイウォータ)。
2020年12月に立ち上げられ、鞄の街として知られる豊岡の伝統技法を活用し、フィッシュレザーの魅力を最大限に引き出した製品を提供しています。
![Photo: 山科拓郎](https://media.loom-app.com/loom/2023/11/16/95225d9c-a61e-40a3-9526-5868a1b15d5e/original.jpg?w=800)
ブランドの創設者がインスピレーションを得たきっかけは、日の出前と日の入り後に発生する、空が濃い青に染まる時間帯「ブルーアワー」の海。釣りをしている最中にこれを目撃し、フィッシュレザーで海と空を表現するアイデアを思いついたそうです。
![Photo: 山科拓郎](https://media.loom-app.com/loom/2023/11/16/a0b5cad7-4a96-42db-aaed-87c22b5d8368/original.jpg?w=800)
実際手にしてみると、美しいグラデーションと独特なフィッシュレザーの質感に惚れ惚れ…。初対面の相手との会話を、自然に深めるきっかけを作り出してくれそうです。
出世魚「ブリ」の革でゲン担ぎにも
フィッシュレザー自体も非常に興味深い素材です。魚の皮を無駄にせず、サステナブルな素材として活用するこの取り組み。環境問題に対する意識が高まる現代において、非常に重要なメッセージを私たちに投げかけています。
![Photo: 山科拓郎](https://media.loom-app.com/loom/2023/11/16/bf93beb1-ee2f-49b1-ad14-ac32917678ec/original.jpg?w=800)
黒い部分に用いられているフィッシュレザーは「なめし加工」により、驚くほど丈夫。富山県氷見の海で獲れた出世魚「ブリ」の皮が採用されています。パッと見た印象、高級感のあるヘビ革のような趣がありますね。
![](https://media.loom-app.com/loom/2023/11/17/592dcea8-7f69-4ce6-9a6a-4f39f585119c/original.jpg?w=800)
ミシンで縫製した後、糸の結びこぶに糊をつけて、針穴に戻す「糊止め」という技法が用いられているのも注目したいポイントです。
この工程は非常に手間がかかりますが、見た目に美しく糸のほつれが起こりにくくなるということで、長く愛用できそう。細部に至るまでのこだわりに、クラフトマンシップを感じます。
伝統技法の「風琴マチ」で使いやすさを追求
「Orizzonte #02 名刺入れ」のもうひとつの魅力は、伝統技法「風琴マチ」の採用です。
![Photo: 山科拓郎](https://media.loom-app.com/loom/2023/11/16/8d36f0e8-21d1-41a1-a13b-b0a157b1b99f/original.jpg?w=800)
この技法は、日本独自のもので、薄くて使いやすい設計が特長。一般的な「蛇腹マチ」は仕切りが「内側(谷折り)」に折り込まれているのに対し、「風琴マチ」は「外側(山折り)」に折られています。
これにより、名刺が引っかからずスムーズに出し入れできる利点も。
![Photo: 山科拓郎](https://media.loom-app.com/loom/2023/11/16/fbf1632f-873d-4d9f-b699-3269a165f682/original.jpg?w=800)
プラスチック製のカードを15枚入れても、その厚みは上に掲載した写真の通りで、非常にスリム。容量的にはまだまだ余裕があり、20枚以上を収納できそうです。
これだけ入れば、いざ必要なときに「名刺が足りない…!」という事態を防げるはず。実用性十分ですね。
「風琴マチ」は多くの型紙が必要となるだけでなく、革の漉きや裁断を精密に行う必要があるため、まさに高度な技術と手間暇の結晶。細部までこだわり抜かれた設計から、職人の技術と情熱が感じられますよね。
背面や内側には単色の姫路レザーを採用
![Photo: 山科拓郎](https://media.loom-app.com/loom/2023/11/16/c8ed83d6-a3c7-4b85-9de4-f044632a6226/original.jpg?w=800)
背面にもカードポケットが配されており、利用頻度の高い交通系ICカードなどはここに入れておくと便利そう。
こちらと内側には姫路レザーを採用。ヘリの部分には耐久性と革の屈曲性を上げる「ネン引き」が施されています。う〜ん、非常に丁寧で隙のない仕様ですね。
![Photo: 山科拓郎](https://media.loom-app.com/loom/2023/11/16/0a94d287-93fb-4bc5-a795-92674f3dae17/original.jpg?w=800)
環境保護の観点にとどまらず、伝統技法の継承を意識して生み出されている「L'ora blu」シリーズの「Orizzonte #02 名刺入れ」。
![Image: Lorablu](https://media.loom-app.com/loom/2023/11/17/a2f6b2f7-e887-4857-b4e1-0ccbf6906332/original.jpg?w=800)
カラー展開は、今回ご紹介した「L'ora blu(ブルーアワー)」と「Il notturno(夜景画)」の2色。後者はその名の通り、美しいグラデーションで夜の海が表現されています。
ビジネスシーンでの使用はもちろん、贈り物としても喜んでもらえそう。machi-yaで実施中のプロジェクトでは、2024年3月のお届け予定となっているので、新社会人へのプレゼントにもいいかもしれません。詳細は下記リンク先ページから。
>> 出世魚ブリのフィッシュレザーとグラデレザーで「海と空」を描いた縁起のいい名刺入れ
Image: Lorablu
Photo: 山科拓郎
Source: machi-ya