産地の思いを伝えたい/味の素AGF~食の挑戦⑭~

持続可能な生産に向けて

コンシューマービジネス部
マーケティング第2グループ主任
松田 恵梨子氏

【ちょっと贅沢な珈琲店 EVERBLACK】

―開発の経緯は。
地球温暖化、経済的苦境により、栽培適地が現在の半分になるといわれる「コーヒー2050年問題」など、おいしいコーヒーが飲めなくなるかもしれないという懸念が広がっている。そこでAGFでは、今後もおいしいコーヒーを届けるため生産地の農家と手を取り合い、生活支援や収量向上に向け栽培方法の指導、肥料提供といった課題解決に取り組んでいる。
そして今回、こうした取り組みを具現化する「ちょっと贅沢な珈琲店 EVERBLACK」シリーズを手掛けた。これまで支援してきたエチオピア・シダマ地方、ミャンマー・ユアンガン地区、コロンビア・バジェデルカウカ県、ブラジル・ミナスジェライス州のコーヒーを使用し、約1年半をかけ開発した。

―パッケージデザインが印象的だが、製品のこだわりについて。
焙煎など長年培ってきた技術を駆使することで各産地の個性豊かな風味を最大限に引き出し、スティックブラックでもドリップコーヒーとそん色ない味わいに仕上げた。
パッケージデザインは、イラストレーターの中村隆さんの書き下ろしで各産地を飛行機の窓から覗くような構図に施され、個包装にも描かれている。味わい、イラストから産地への思いを膨らませながらコーヒーを飲むことでより一層おいしく感じられる。

―ターゲット層は。
コーヒーをカジュアルに楽しみたいという層を取り込みたい。スティックブラック、ドリップコーヒーで展開するのも、器具が要らず手軽に楽しめるから。開発背景には持続可能性や産地貢献などがあるがあえてあまり前面には出さず、各産地のおいしさやストーリーを楽しむコーヒーとして親しみを持っていただきたい。
ブランドサイトではコンセプトムービーを公開しているほか、3月には一般消費者を対象に「世界空想旅行試飲会」と銘打ったイベントも開催し盛況を見せ、さらなるコミュニケーション強化で認知を広げたい。「ちょっと贅沢な珈琲店」は本格的な味わいとして知られている一方、産地とのつながりを伝え切れていなかったが、新シリーズを通じてブランド全体のファン拡大にも期待している。

2024年3月25日付

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