昭和懐かしの瓶入りコーヒー牛乳に行列/雪印メグミルク

雪印メグミルクの湯in大阪

大阪に登場した雪メグストアが盛況!

昭和世代にとっては懐かしの飲料である、瓶入りのコーヒー牛乳やフルーツ飲料が大阪・梅田のビッグマン前広場で、行列のできる人気ぶりを示した。
10月25~26日、雪印メグミルクは瓶飲料の魅力を伝えるイベント「雪印メグミルクの湯」をオープン。昨年、東京メトロ有楽町線市ヶ谷駅での開催に続く第2弾となる。

雪印メグミルクの湯は、銭湯をテーマとしたポップアップストア。自販機や宅配専用で販売中の「雪印コーヒー」「雪印フルーツ」「雪印いちご」が入った「びん商品詰め合わせ4本セット」(税込1500円)ほか、トートバッグ、バスタオル、サウナハットなどのオリジナルグッズを販売。同セットを購入すると、大阪府内の特定の温浴施設でオリジナルタオルと交換できる引換券を1枚プレゼントする特典付き。
当日の会場には実際の銭湯の脱衣所、富士山のイラストなどを再現した疑似銭湯空間を演出。訪れた客は銭湯文化や瓶飲料文化の歴史を学びながらフォトスポットとしても楽しんでいた。またラッピング自販機やカプセルトイ(アクリルキーホルダー)も好評だった。

今回のイベントに向け、同社では3.2万本の瓶入り飲料を用意。これは昨年の東京会場と比べても4倍程度の規模拡大となる。ヨーグルトでもチーズでもなく“びん入り”に、ここまで注力するのは宅配商品への切実な思いからだ。
びん入り商品は同社の飲用牛乳や乳飲料のカテゴリーに属し、宅配商品および自販機商品として約2千社にのぼる販売店を通し、全国約300万件(6千万世帯)に届けられている。国内で20件に1件が宅配牛乳類を取っていることを思えば、一定規模の顧客層に支持されていると言えるが、かつての牛乳屋さんが個々の家庭に配達することが当たり前だった時代と比べると漸減傾向にある。
これまでも活性化を図るべく、テコ入れ策を投じてきたが、V字回復とまでは至らず。ただ発見もあった。商業施設や郵便局などでイベントを実施すると、びん入り商品が思いがけない好売れ行きを示す。スーパー店頭で日常的に販売すれば売れない商品だが、普段見かけることのない希少性、懐かしさなどからイベントでは動く商品なのだ。同社では「企業側の思い込みがあった。イベントなど啓発活動も、消費者目線に立たないと実需用に沿った提案ができないことを痛感した」と振り返る。今では宅配商品の売れ筋といえば、グルコサミンなどの機能性を高めた商品、あるいはヨーグルトなどびん入り以外の商品が中心。だが視点を変えることで昔ながらのびん入りに潜在需要を見いだした。
イベントとの相性が良いびん入り商品を中心に据え、既成概念にとらわれないよう、20歳代を中心としたメンバー構成で、約1年をかけて、びん入りイベントを宅配商品の活性化を狙い企画。昨年の東京会場がヒットしたことから、今回、大阪会場でも実施し、大成功を収めた。

時代の流れに歯止めをかけることは難しいが、かつて人気を博した商品を、時代に合わせて設計しなおすことは可能だ。今回活躍したびん入り商品は、今では温浴施設の自販機が販売の中心となっているが、イベントを行えば売れるということは商品には相応の魅力が備わっていると言える。新たなアプローチが宅配商品の活性にどの程度貢献するのか注目したい。

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