支援学校のこと知って 生徒発案のコーヒー販売、12日から和歌山県田辺の専門店

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 南紀はまゆう支援学校(和歌山県上富田町岩田)は、授業で開発したオリジナルブレンドコーヒーを期間限定で販売する。商品デザインを手がけたのは高等部3年の矢倉遼典さん(18)。「コーヒーをきっかけに支援学校を知ってもらいたい」と期待している。販売は田辺市南新町の専門店「モリカワ」で12~24日。  ICT(情報通信技術)を活用して、社会とのつながりを考えるプロジェクトの一環。紀南を拠点に活動するクリエイター集団「TETAU(テタウ)」の協力で、矢倉さんが1年時から取り組んできた。肢体障害のある矢倉さんは両腕が使えないが、口にくわえたペンでタブレットを操作し、パッケージをデザインした。  コーヒーは、「南紀」と「はまゆう」2校の支援学校を再編統合した新しい学校の誕生を記念して、昨年開発した。「きらめき」と「やさしさの輪」の2種類ある。「きらめき」は明るい未来に駆け出す児童生徒、「やさしさの輪」は多様性を尊重して広がる温かな関係をイメージした。  ブレンドしたのは、コーヒーの焙煎(ばいせん)加工を手がける「モリカワ」(田辺市城山台)。「きらめき」は、華やかな香りと軽やかな味が特徴のエチオピア産モカを中心に余韻が続くうまみ。「やさしさの輪」は、産地や焙煎度合いが異なる豆を調和させ、優しい味わいに仕上げた。  パッケージのデザインは、小中高等部の約200人に押してもらった「指スタンプ」をコーヒーカップの形に配置した。  これまでは学校の文化祭や教員向けに設けたサイトでのみの販売だった。一般向けは今回が初めて。  矢倉さんは「ICTを活用して自分の可能性を引き出せた。いろいろな人に支えられ、つながりの大切さも学んだ。大好きな学校の魅力を表現したコーヒーを多くの人に味わってもらいたい」と話している。  コーヒーはドリップタイプが1袋100円。6袋パック(2×3袋)が600円。コーヒー豆は100グラム400円。モリカワの営業は午前9時~午後6時。定休は火曜。 ■目指せプランナー  南紀はまゆう支援学校は、コーヒーとともに、窯業や木工、皮革などの製品を生み出す校内七つの作業班を紹介した総合パンフレットを配布する。  矢倉さんが取材、執筆、編集を手がけた。地域の住民、企業に学校の仲間たちの「仕事ぶり」を知ってもらいたいと、自身の視点で各班の魅力を伝えている。  矢倉さんは卒業後、企画の立案などをするプランナーの見習いとして、テタウに加入する。支援学校の授業プランや企業の企画などに携わりたいという。
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