抽出後に残るコーヒーかすは肥料になる?効果や活用方法を完全解説

work-1201543_1280.jpg

コーヒーは肥料として活用できる?

肥料以外の活用方法はある?

こういった疑問や要望にお答えしていきます。

コーヒーを飲み終えた後に残るコーヒーかすを、そのままゴミ箱に捨てるのはもったいない!

実はコーヒーかすは使い方を工夫すると、肥料としての役割を発揮します。

そこで今回はコーヒーかすの持つ特徴を踏まえて、肥料として使用する方法を解説します。

本記事のまとめ
  • コーヒーかすには「PHを酸性に近づける」などの植物の生育に効果的な特徴がある
  • コーヒーかすを肥料として使用することは2つのメリットがある
  • コーヒーかすの特徴は主にシャクナゲ、セイヨウアジサイ(青)、ツツジの成長に効果的
  • コーヒーかすを肥料として使用するには堆肥化が必要
  • 抽出後のコーヒーかすは他にも使用方法がある
本記事を監修する専門家
コーヒー豆研究所 げんた柏倉元太

日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。

続きはこちら

コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。

当サイトのおすすめコーヒー資格
  1. コーヒープロフェッショナル:プロに必要な専門知識と基本技術を習得できる!受講者満足度No.1を誇るラーキャリのオリジナル教材を使用。今ならここからクリックすると10,000円分無料+ゲリラクーポンGET!
  2. コーヒースペシャリスト:スマホ・PCだけで完結!就職や独立など、仕事や夢の実現に向けて+αのスキルとして非常におすすめ。初回980円&いつでも解約OK!
  3. おうちdeカフェコース :UCCコーヒーアカデミー監修!本格コーヒーを淹れるノウハウが4ヶ月で習得可能。

さらにおすすめが知りたい方は「コーヒーのおすすめ人気資格ランキング17選!種類から費用まで解説」をチェック!

それでは早速見ていきましょう。

コーヒーかすが持つ肥料として使える効果

コーヒーかすが持つ肥料として使える効果

コーヒーカスが肥料として使えるとされる主な効果は以下の3つです。

  • PHを酸性に近づける
  • 植物の成長に必要な栄養素が豊富
  • 不要な水分や悪臭物質を取り込む

PHを酸性に近づける

コーヒーカスは酸性寄りの性質を持っているため、酸性土壌を好む植物に適しています。

アジサイやブルーベリーなど、酸性の土壌でよく育つ植物に対しては、コーヒーカスを適量加えることで土壌のpHを調整できます。

ただし、全ての植物が酸性を好むわけではないため、植物の種類に合わせて使い分けることが重要です。

植物の成長に必要な栄養素が豊富

コーヒーのかすには窒素、リン、カリウムといった植物の成長に欠かせない栄養素が含まれています。

特に窒素が多く、葉や茎の成長を助ける働きがあります。

コーヒーカスを堆肥として混ぜ込むことで、徐々に分解され、植物に必要な栄養を長期的に供給できます。

不要な水分や悪臭物質を取り込む

コーヒーカスは非常に多孔質で、水分や臭いを吸収する能力があります。

これにより、土壌の過剰な湿気を取り除き、通気性の向上にも貢献します。

また、悪臭の発生を抑える効果も期待できるため、庭や鉢植えに撒くことで、清潔な環境を保ちながら植物を育てることができます。

ただし、上記の効果はただコーヒーカスを肥料として撒けば発揮されるというわけではありません。

正しい使用方法を押さえて、効果的にコーヒーカスを利用しましょう!

コーヒーかすを肥料として使うメリット・デメリット

コーヒーかすを肥料として使うメリット・デメリット

ここではコーヒーカスを肥料として使用する際のメリット・デメリットを解説します。

それぞれ押さえて、無理なくコーヒーカスを活用しましょう!

メリット

コーヒーカスを肥料として使うメリットは以下の2点。

  • コーヒーかすの処理によって発生するエネルギーを削減できる
  • 無料の肥料が手に入る

コーヒーかすを肥料として使う最大のメリットは、普段廃棄するものを有効活用できる点です。

コーヒーかすは家庭だけでなく、飲食店などでも大量に廃棄され、それらは埋め立てに使われたりエネルギーを大量に使って焼却されます。

各自がコーヒーかすを有効活用することは、こうしたエネルギーの削減にもつながるのです。

また、実際にUCCによる研究でコーヒーかすが植物の生育にポジティブな影響を及ぼすことがわかっています。

よって、コーヒーかすを肥料として使用することはマイナスな要因を減らし、プラスの要素を生んでくれるということです。

デメリット

コーヒーカスを肥料として使うデメリットは以下の2点。

  • コーヒーカスだけを集める必要がある
  • 肥料として使うためには手間と時間がかかる

まず、コーヒーかすを再利用するためには毎日出るコーヒーかすだけを集めておく必要があります。

ペーパーフィルターで抽出している場合にはフィルターごと捨てる人が多く、コーヒーかすだけを集めるのはやや面倒でしょう。

また、コーヒーかすはそのまますぐに肥料としての効果を発揮するわけではないため、肥料として使用するには手間と時間がかかります。

詳しい方法は本記事「コーヒーかすを肥料として使う方法」にて解説します。

コーヒーかすをそのまま活用する手段もあるので、併せて検討しましょう。

コーヒーかすを肥料として使うのにおすすめの植物

コーヒーかすを肥料として使うのにおすすめの植物

ここではコーヒーカスを肥料として使うのにおすすめの植物を紹介します。

今回紹介する以下の植物はどれも酸性の土壌を好む植物で、コーヒーかすの持つ土壌を酸性に傾ける効果を利用しています。

  • 花・木:アカマツ・エリカ・サツキ・シャクナゲ・セイヨウヒイラギ・セイヨウアジサイ(青)
    ツツジ・アジアンタム・アザレアなど
  • 野菜・作物:お茶・ブルーベリー・さつまいもなど

ただし、日本の土壌は基本的に酸性よりのことが多く、コーヒーかすの使用により酸性に偏りすぎてしまう場合も多いです。

そのため、コーヒーかすを肥料として使用する場合にはきちんと堆肥化してから使用すると良いでしょう。

コーヒーかすを肥料として使う方法

コーヒーかすを肥料として使う方法

コーヒーかすは肥料として使うのに適した効果を持ちますが、ただ土に撒くだけではマイナスな影響を与える可能性があります。

ここでは、コーヒーかすを肥料として適切に使用する方法を解説します!


ぼかし肥料を作って使う

コーヒーかすを肥料として使う際には、腐葉土と米ぬかや油カスなどを混ぜてぼかし肥料にする方法があります。

主な工程は以下の通りです。

STEP
必要なものを準備する

必要なものは最低以下の6つ。

  • コーヒーかす
  • 腐葉土
  • 米ぬか
  • ダンボールまたはバケツなどの容器
  • 新聞紙
  • 容器を覆うもの
STEP
集めたコーヒーかすの水分を飛ばす

発酵させるためにコーヒーかすは混ぜる前に水分を飛ばしておきます。

STEP
容器を準備する

ダンボールやバケツの底に新聞紙を敷く。発酵中の直射日光を防ぐためにタオルなどの覆うものも準備しておく。

STEP
材料を混ぜて1〜3ヶ月発酵させる

乾燥させたコーヒーかす、腐葉土、米ぬかを容器に入れてしっかり混ぜる。

その後は毎日空気を取り入れるように混ぜるようにし、保管は日の当たらない風通しの良い場所が理想。

STEP
発酵が進んだら肥料として使用可能

発酵のサインは温度と香り。発酵が進むと肥料自体が温かくなり、味噌などの発酵食品を思わせる香りが出ます。


土の表面に撒く

完全な肥料としてではないですが、乾燥させたコーヒーかすを土の上に撒く方法もあります。

この方法では、主に土壌の水分や悪臭を取り除く肥料の補佐的な役割を果たします。

単体を土に撒くだけでは肥料としての効果は発揮できませんが、手軽に使用する方法としておすすめです。

ただし、この時も使用するコーヒーかすはしっかり乾燥させましょう!

コーヒーかすを肥料にする際のポイント

コーヒーかすを肥料にする際のポイント

コーヒーかすを肥料として使うには、注意したいポイントがあります。

今回ご紹介するポイントは以下の2点。

  • しっかり乾燥させた状態で使用する
  • そのまま土に混ぜるのはNG

上記のポイントを押さえて欲しい理由は、コーヒーが植物の生育を妨げてしまう恐れがあるためです。

特に水分を含んだコーヒーかすはカビの発生源になりえます。

また、コーヒーかすを多量に使用すると土壌の窒素飢餓を引き起こしたり、コーヒーかすに含まれる発芽阻害物質が作用してしまう恐れもあります。

よって、コーヒーかすを肥料として使用する際には、「コーヒーかすが水分を含んでいない状態であること」「土に混ぜる際には堆肥化が必須であること」を押さえておきましょう。

肥料以外にもある!抽出後のコーヒーかすの使い方

肥料以外にもある!抽出後のコーヒーかすの使い方

肥料としてコーヒーを適切に使用する際には時間と手間がかかります。

そこで、ここでは肥料以外のコーヒーかすの使い方を以下2点紹介します。

  • 消臭・脱臭剤として使う
  • 染色に使う

1つずつ見ていきます。

消臭・脱臭剤として使う

コーヒー豆は多孔質の粒子であるため、同じく多孔質の炭のように臭いを吸収しやすいという特徴があります。

この特徴を活かして、抽出後のコーヒーかすを消臭・脱臭剤として使用することができます。

使用方法は大きく以下の2つ。

  1. 湿ったまま置く
  2. 乾燥させた状態置く

ただし、湿ったまま置く際にはカビが発生しやすいので1、2日の使用がおすすめです。

長期で使用したい場合には「自然乾燥」または「フライパンなどで加熱し乾燥させる」のいずれかで乾燥させてから使用しましょう。

そのままお皿や瓶に入れて使用することもできますが、日常的に使用する場合には以下のような専用のポットの使用もおすすめですよ!

https://coffee-labo.co.jp/beans-reduce
https://coffee-labo.co.jp/coffee-fragrance


染色に使う

染色に使う

コーヒーかすは紙や布などの染色にも使用できます。

コーヒーを淹れ終えたペーパーフィルターがほんのり茶色に染まった様子を見たことはありませんか?

実はコーヒーかすを使ってコーヒー液を作り、そこに紙や布を入れると薄茶色のヴィンテージ感を漂わせる色味に染めることができます。

コーヒー液とは、コーヒー粉またはインスタントコーヒーを溶かしたり、煮出したりして作る液体のことです。

その中に染めたいものを入れて好みの色味に染まったら取り出し、布の場合はしっかり水洗いし絞った後、紙の場合はそのまま自然乾燥させるだけ。

抽出後のコーヒーかすを使用する場合にはお茶パックなどに入れて煮出すと後片付けもしやすくおすすめです。

https://coffee-labo.co.jp/coffee-dyeing

抽出後のコーヒーかすは肥料としても活用できる!

抽出後のコーヒーかすは肥料としても活用できる!

いかがでしたか?

今回はコーヒーかすを肥料として使用するメリットやデメリット、使用方法を解説しました。

本記事の重要ポイントをまとめると以下の通り。

本記事の重要ポイント
  • コーヒーかすには「PHを酸性に近づける」「植物の成長に必要な栄養素が豊富」「不要な水分や悪臭物質を取り込む」といった効果がある
  • コーヒーかすを肥料として使用することは「コーヒーかすの処理によって発生するエネルギーを削減できる」「無料の肥料が手に入る」といったメリットがある
  • コーヒーかすの特徴は主にシャクナゲ、セイヨウアジサイ(青)、ツツジの成長に効果的
  • コーヒーかすを肥料として使用するには堆肥化が必要
  • 抽出後のコーヒーかすは他にも消臭や脱臭剤として使ったり、染色に使うことができる

コーヒーかすを上手に活用して、環境にも配慮したサスティナブルなコーヒーライフを送りましょう!

コーヒーかすを使った活用方法をもっと知りたい方は、以下の記事をチェック!

https://coffee-labo.co.jp/coffee-reuse
https://coffee-labo.co.jp/efficient-idea
タイトルとURLをコピーしました