個包装はもう要らない?世界初、英国の「包装ナシ」プロテインバー

華やかな包装で一つひとつ包まれたお菓子。必要な分だけを持ち出したり、人に配ったりするのには便利なのだが、全部が全部こんなに丁寧に包まれていなくても……と思った経験はないだろうか。包装が少ない選択肢があってもいいはずだ。そこで今回は、この問題に革命をもたらすかもしれない、あるスタートアップ企業の試みを紹介したい。この企業はお菓子の個包装を「少なくする」どころか、「なくして」しまったのだ。

One Good Thing(ワン・グッド・シング)という英国のスタートアップが、世界初の包装紙不要のプロテインバーとスナックバーを発売した。これらのバーには冷圧加工された食材が使用され、「食べられる天然のフィルム」でコーティングされている。つまり「包装ごと」プロテインバーを食べるのだ。

うこのフィルムは蜜蝋と他の天然成分の混合物であり、中身を保護する機能を保ちながらも、柔らかく噛みやすいという特徴を持つ。水に濡れても崩れない耐水性まで備えている。ワン・グッド・シングのバーは70%が再生材料でできた段ボールの箱に入れて配達される。

「個包装がない」となると、衛生面が気になる人も多いだろう。だが、安心してほしい。ワン・グッド・シングは現在家庭への直接の配送のみを受け付けており、店舗での販売は行っていない。プロテインバーが段ボールに包まれてから、あなたの手に商品が渡るまで、他の人によってに触れられる心配はないのだ。さらに、この包装は耐水性を備えていることから、気になる人は(りんごや梨の皮のように)水で外の包装を洗浄してから食べることもできる。

スナックバーはマンゴーとパッションフルーツ、イチゴとクリーム、ルバーブとカスタード、チェリーなど7つのフレーバーがある。また、アップルとシナモン、スティッキージンジャー、ベリーバースト、バタースコッチなどの7種類のプロテインバーも発売されている。

 

View this post on Instagram

 

A post shared by One Good Thing (@weareogt)

このプロジェクトについて、ワン・グッド・シングの共同創設者であるマイク・ベッドフォード氏は、FoodBev Mediaのインタビューに対し「サイクリング中にスナックの包装紙の大量のごみを目にし、移動中にスナックを取る人々の問題をどうにか解決できないかと考え、製品開発に至った」と語っている。

さらに、ワン・グッド・シングのCEOであるキーラン・スタンブリッジ氏は、「多くの消費者が持続可能な生活を送るために積極的に買いものの習慣を変えようとしている。私たちは自然環境への影響を減らすために『たった一つの良いこと(ワン・グッド・シング)』を簡単にできるよう、商品をつくった」と述べた。

包装ごみは減らしたいものの、個包装をなくしてしまうと食品を密封して保護できないことから賞味期限が短くなり、かえって食品ロスが大きくなるというジレンマがある。この包装はしっかりと食品を守りながら、ごみを削減できているというのがポイントだ。(ワン・グッド・シングのバーは賞味期限が3ヶ月ほどであるという。)また他のスナックの包装と比べて少ないエネルギーで包装が作られているのも画期的だ。

サクッと甘いものを食べたいとき、オフィスで小腹を満たしたいとき、ワン・グッド・シングは「ごみを出さない」良い選択肢になるだろう。お菓子の種類や食べるタイミングなどに合わせて、私たちが「包装」を選び取っていけるようになると、より気軽にごみを減らせるようになり、社会全体の廃棄物も減っていくのかもしれない。

【参照サイト】One Good Thing
【参照サイト】OGT launches “world’s first” wrapperless snack bars
【関連記事】コーヒーバッグごと「飲む」時代が来るか。プラ包装の代わりになる“海藻”包装、開発中
【関連記事】「ごみの時代」にデザインが担うもの。英・Design Museumの企画展から考える

FacebookTwitter

The post 個包装はもう要らない?世界初、英国の「包装ナシ」プロテインバー first appeared on IDEAS FOR GOOD.

タイトルとURLをコピーしました