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バリスタが客にコーヒーを飲んでもらうためには、カフェを開く必要があるのだろうか? Meet Taipei(創新創業嘉年華)では、移動式のカフェが出展していて、多くの人が立ち寄っていた。
Qofii の2台のコーヒーマシンは、3分以内に「人気バリスタのコーヒー」を1杯淹れることができる。バリスタのレシピは2台のマシンに登録されていて、デジタル方式で顧客に技術サービスを提供している。Qofii は、バリスタのノウハウを商品化し、ハンドドリップコーヒーのおいしさをデジタルでより多くの人と共有することで、バリスタに新たなビジネスモデルを切り開く。
コーヒーの淹れ方をデジタルレシピ化
Qofii の最大の価値は、コーヒーの淹れ方のデジタル化である。
Qofii のマシンはレコーディングスタジオのようなもので、バリスタがコーヒーの淹れ方を記録するのを支援する。バリスタのサービスと収入はもはや制限されない。
Qofii(萬物智得)CEO Yiqun Chen(陳逸群)氏は、次のように語った。
ここでは2人の人気バリスタがコーヒーを販売しています。彼らはこの3日間会場に来ませんでしたが、このマシンを通じて100人以上にサービスを提供しました。
インタビュー中、Chen 氏はマシンの操作を実演してくれた。
Image credit: Meetこのマシンは、コーヒー豆を挽くところからコーヒーを抽出するところまで、人気バリスタの手順を記録し、デジタル化して IP 化できます。将来的には、バリスタたちは IP を収入に換えることができる新しいビジネスモデルを手にすることになるでしょう。
バリスタがこのマシンを使って実際にコーヒーを淹れることでデータが記録される。マシン内部のセンサーが、バリスタの淹れるステップの細部、例えば、淹れる際に注入する水の量、水の温度、コーヒーの挽き目の粗さなどを計測し、計測されたデータやアナログ信号をデジタルに変換してマシンに記録し、そのデータがバリスタがコーヒーを淹れるレシピとなり、最終的にマシンのタッチパネルに表示されるというものだ。
バリスタの淹れ方の癖を理解し、バリスタの信頼を得ることが研究開発の鍵です。(Chen 氏)
バリスタは新しい種類の豆に出会うと、何度も淹れて最適な淹れ方を探さなければならない。Qofii の操作パネルを通じて、マシンが前回の淹れ方の記録やデータにアクセスし、バリスタが1つのデータを調整するだけで淹れ方の結果を比較できるため、何度も淹れてコーヒーの風味を試す必要がなくなり、作業が軽減されるとともに、再度コーヒーを淹れる際の小さなミスのリスクも軽減される。
Qofii の操作パネルで水量を調整する CEO の Chen 氏Image credit: Meet
技術開発の過程では、人気バリスタたちにノウハウを共有するよう説得するのに長い時間がかかると Chen 氏は言う。最も重要なのは、彼らに常に結果を見せ、より多くの人々にコーヒーを提供するという Qofii の目標を理解してもらうことだ。
Nvidia のように、データがなければ、たとえ計算能力が高くても、業界に影響を与えることはできない。コーヒーをデータ化することで、業界のビジネスモデルも変わる。Qofii がやろうとしているのは、バリスタに業界の将来のビジネスチャンスを見出し、受け入れてもらうことだ。(Chen 氏)
台湾を拠点とする Qofii の次の一手は、国内外への市場拡大だ。
台湾の自動ハンドドリップコーヒーマシン「iDrip」と「Qofii」は、技術的には似ているが、両者の違いはビジネスモデルにある。iDrip は一般消費者市場をターゲットに、台湾のバリスタに限定しないバリスタと取引しているのに対し、Qofii は2B 市場をターゲットに、建設会社、医療・エステクリニック、ホテルなどと取引し、使用量に応じてライト、ミディアム、ヘビーに顧客を分け、ハンドドリップコーヒーマシンを月額料金でレンタルしているほか、台湾人バリスタをメインパートナーとし彼らのの露出機会を増やしている。
Qofii の今後の計画について、Chen 氏は、製品の市場を積極的に拡大し、将来的にはより多くの人に使ってもらい、家庭用製品にしていきたいと語った。また、Meet Taipei に参加したことで、Qofii は日本、東南アジア、カナダ市場からもサービスに関する問い合わせを集めることに成功し、見本市で紹介すること、そして国内外企業が協力し合える場所を見つけるという目標を達成した。
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