2022年10月31日の記事を編集して再掲載しています。
コーヒー買ったら思い付いたのかな?
ファストフード店でシェイクやコーヒーなどを頼むと、必ずといって良いほどプラスチックのフタが付いてきますよね。星型や半円状のポッチを凹ませて、中身が視覚的にわかるような仕組みになっています。
インディアナ州にあるパデュー大学とテネシー大学ノックスビル校では、そのポッチにヒントを得て、ドローンが飛行中に危険を察知するセンサーを開発しています。
Unlike humans, drones lack ways to filter out info they don’t need, which slows down their response time to changes in their environment. Learn how inspiration from a to-go cup lid may help a drone to detect dangerous conditions faster. #PurdueInnovationhttps://t.co/aguFxUGoHA
— Purdue University (@LifeAtPurdue) October 27, 2022
ドローン開発における苦悩
高性能のドローンにはいくつものセンサーが搭載されており、常にいろんな情報を取り込んで演算処理をしています。ですがここにパワーを使いすぎるため、コンピューターの能力がいっぱいいっぱいになります。酷いと「データの溺死」と呼ばれる状態に陥り、処理にタイムラグが生じたり、最悪の場合は安全な飛行が損なわれるのだそうです。
そこで今回の研究は、ドリンクのフタにあるポッチのような構造をドローンの翼につけて、「データの溺死」を回避しようと考えました。
環境の変化で凹むセンサー
このドローンの翼には、ポリウレタン製のポッチが規則正しく並び、機体にとって危険な圧力、温度、もしくは物体による接触があると凹んで圧電効果によりコンピューターに知らせる仕掛けになっています。この単純な動きが搭載コンピューターにとって危険察知に役立ちます。
圧力、温度、外部からの接触だけでもセンサーが外部委託になることで、情報の取捨選択がしやすくなり、処理能力に多少の余裕が出ることになります。オマケに圧力が高い気流があれば、空の上でそこをマッピングすることにも役立つので、一石二鳥というメリットもあるそうな。
Image: Advanced Intelligent Systems身近なところにあるヒントを見逃さない
パデュー大学では、日頃からクモなど生き物の感覚を機械に活かそうと研究しているとのこと。私たちだって、無意識に五感でこうした情報処理を自然に行っているが凄いところですよね。この研究は、お持ち帰りドリンクのフタをついつい潰す人たちにとって、身近に感じる話なのではないでしょうか?
Source: Advanced Intelligent Systems, Twitter, PURDUE UNIVERSITY via NEW ATLAS