コーヒーは有害? 米国で“クリーンコーヒー”人気広がる

コーヒーブランドの「バレットプルーフ」 クリーンコーヒーブランド「バレットプルーフ」 COURTESY ©︎FAIRCHILD PUBLISHING, LLC
昨今、米国のソーシャルメディア上で専門家らがコーヒーが含む有害な成分や消費者が留意すべき点について議論している。TikTokでは「#cleancoffee」のハッシュタグを付けた動画が550万回以上再生され、有害な物質を含まないとする新興コーヒーブランドが続々登場し、“クリーンコーヒー”への注目が高まっている。

「コーヒー豆が含むとされる有毒物質は、カビの代謝生産物であるマイコトキシン(カビ毒)だ。そして残留農薬もコーヒー豆や粉から検出される可能性がある」と管理栄養士のエリカ・バレラ(Erika Barrera)は話す。世界保健機関(WHO)はマイコトキシンには発がん性を持つものもあるとしており、一定量を超えて摂取した場合、人体の免疫機能に悪影響を与えるとしている。

さらに複数の研究結果から、市場に出回るコーヒーの50%以上から低量のマイコトキシンが検出されることが明らかになっている。しかし、これらは必ずしも人体に有害であると証明されておらず、バレラ管理栄養士は「コーヒーは抗酸化物質も豊富に含み、酸化ストレスや毒素から人体を守る役割も果たしてくれる」と付け加える。

クリーンコーヒーブランド「フォー シグマティック」 「「フォー シグマティック」の商品 COURTESY ©︎FAIRCHILD PUBLISHING, LLC

機能性キノコを配合したマッシュルームコーヒーで注目を集める「フォー シグマティック(FOUR SIGMATIC)」は、商品製造の最終工程でカビや酵母、マイコトキシン、重金属、アフラトキシン、残留農薬などの有害物質を検出する第三機関の検査を通過したクリーンコーヒーを提供している。同ブランドのダニエル・ライアン・ブロイダ(Danielle Ryan Broida)薬草学者は、「商品に配合したヤマブシタケ、チャーガ、霊芝、冬虫夏草、カワラタケなどの成分には天然の抗真菌作用があり、体内のカビや悪い菌類の退治に役立つだけでなく、集中力や免疫力を強化する」と話す。

クリーンコーヒーブランド「バレットプルーフ」 「バレットプルーフ」の商品 COURTESY ©︎FAIRCHILD PUBLISHING, LLC

また、科学的知見に基づく健康法 “バイオハッキング”や“バター入りコーヒー”の考案者として知られる実業家のデイヴ・アスプリー(Dave Asprey)が手掛けるブランド「バレットプルーフ(BULLETPROOF)」は、サプリメントやクリーマー、クリーンコーヒーを15〜90ドル(約2200〜1万3500円)で提供する。同ブランドが行っている検査は、より厳格なEUのガイドラインに準じており、マイコトキシンや重金属など不純物を徹底的に排除している。

カビ毒は高温多湿の環境で増殖しやすくなる。米国ではマイコトキシンを一定量含む場合は有毒とみなされ、検査をして食品医薬品局(FDA)から承認を受けた食品のみが流通しているが、「より安全なコーヒー豆を手に入れたければ、シングルオリジン(単一産地)コーヒー、もしくは標高4000フィート(約1200メートル)以上の地域で栽培された豆を使用しているかを確認すること。また、カビの大量発生を避けるため、密閉容器に入れて冷暗所で適切に保存すること」とバレラ管理栄養士はアドバイスしている。

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