東京・渋谷のスクランブル交差点の周辺に、かつて茶畑が広がっていたことを知っているでしょうか。「渋谷茶」と言われたそのお茶の木が渋谷で発見され、今、復活しようとしています。
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“若者の街”東京・渋谷。いまや世界も注目する繁華街です。その渋谷で新たな観光資源を生み出すプロジェクトが進んでいます。
幻の銘茶「渋谷茶」復活プロジェクト プランティオCEO・芹澤孝悦さん
「幻の銘茶『渋谷茶』を復活させるプロジェクト」
都会の渋谷で、お茶…?
幻の銘茶「渋谷茶」復活プロジェクト プランティオCEO・芹澤孝悦さん
「実はここ渋谷が『渋谷茶』の一大産地。元々、渋谷は広大な茶畑だった」
明治のころには、お茶の産地だった渋谷。スクランブル交差点となった場所には、かつて日本茶専門店が店を構え、渋谷で育った「渋谷茶」が収穫されていました。
実際に現代の地図と明治時代の地図を照らし合わせてみると、今の渋谷駅の周辺に多くの茶畑が広がっていたことが分かります。
しかし、渋谷区の郷土博物館によると、東海道線の開通などで、日本三大茶の「静岡茶」や京都の「宇治茶」が流入。「渋谷茶」は明治時代に衰退し、茶畑は渋谷から姿を消しました。
それから、大正・昭和・平成・令和と時がたった今、渋谷で渋谷茶の木が見つかったのです。場所はスクランブル交差点からほど近い鍋島松濤公園です。
幻の銘茶「渋谷茶」復活プロジェクト プランティオCEO・芹澤孝悦さん
「こちらが渋谷茶の苗木といわれています」
現代に残っていた渋谷茶の木。渋谷区と大手飲料メーカーが公園で4本発見したといいます。
住んでいる人も身近なところにお茶の木があるとは知らず…
近隣住民
「えー! お茶!? 飲んでみたい」
近隣住民
「案外濃そうですね。渋谷だけに」
今回見つかった木を元に増やし、「渋谷茶」を復活させようとしているのです。
◇
特別に取材が許され、お茶の一大産地、静岡県の島田市にある、「渋谷茶」の苗木を増やしているという現場を訪れました。
幻の銘茶「渋谷茶」復活プロジェクト 伊藤園・農業技術部 村松浩明さん
「この中の一画に渋谷茶の木があります」
「渋谷茶」の苗木を約100本育てています。
伊藤園・農業技術部 村松浩明さん
「緑色が鮮やかで、緑茶にしたらおいしそうな葉っぱだった」
気になるのは、その味です。
伊藤園・農業技術部 村松浩明さん
「葉っぱを見る限り、うまみのある渋みの弱いおいしいお茶になるんじゃないか」
今後、飲食メニューやお土産、茶摘み体験など、新たな観光資源として活用される見込みの「渋谷茶」。
伊藤園・農業技術部 村松浩明さん
「渋谷で新芽が出てきて、それを渋谷でとって、渋谷を訪れた方に渋谷でとれたお茶を飲んでいただく。そんなことができたらいいな」
将来的には渋谷で栽培し、来年から再来年にはお茶の間に届けたいということです。
(2024年2月15日放送「news every.」より)
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