ヘルシークリアが発売
久野社長
日清オイリオグループは、発売を1週間後に控えた大型新商品「日清ヘルシークリア」の発表会を2月20日に、ザ・プリンスパークタワー東京コンベンションホール(東京都港区)で開催。久野貴久社長は「次の100年に向けて油脂を究め続けていく」と新たな時代も展望し、同時に新たな広告キャラクターに「ドラえもん」を起用することも発表した。
1924年に「日清サラダ油」が誕生してから今年で100年目。日本では初めての精製度が高い大豆油で、野菜サラダにそのままかけて食べられることから命名され、野菜の生食文化の普及に寄与した。その後も、92年に〝油っこくな~い〟をキャッチコピーに「日清キャノーラ油」。96年には「BOSCOオリーブオイル」の発売を通じて、オイルの健康訴求を開始。
近年では「かけるオイル」による、オイルの持つおいしさや健康価値がより身近に感じられる使い方を提案。ココナッツオイルやアマニ油、えごま油、MCTオイルといった「サプリ的オイル」の新しいカテゴリーが誕生。さらには「かけるオイル」を進化させた「味つけオイル」では、食卓における第7の調味料と位置付けた提案を行うなど、家庭用食用油市場をリードしてきた。
「日清ヘルシークリア」(2月28日発売)は、サラダ油発売100周年に向けた新商品開発プロジェクト(2021年春~)から誕生した。新型コロナ以降高まった調理機会、そして物価高騰の局面における「価格に見合った価値をいかに提供できるか」の検討を進めてきた。しかし、クッキングオイルに対する消費者の関心は低く、ニーズを見い出す難しさ、さらには技術的なハードルや製造上の課題が山積する中で、油の劣化や酸化に関する消費者からの問い合わせが多いことに着目。
この酸化を徹底的に抑制する新技術が「ウルトラ酸化バリア製法」。同社技術本部中央研究所の吉村和馬研究第1課長は、その製法について次のように説明している。
低温・高真空脱臭によって製造後の酸化油脂生成を抑制する「Neoナチュメイド製法」と、容器ヘッドスペースの酸素を窒素で追い出す「酸化ブロック製法」、さらには国際規格で定義された超微細な窒素の泡で油中の酸素を徹底的に追い出す「日清ウルトラファインバブル製法」を組み合わせた独自の製法技術の確立に成功した。徹底した油の酸化抑制によって開封後もすっきりと油っこくないおいしさを実現している。
また、商品パッケージで訴求した「鮮度長持ち、サビないオイル」は、「新技術の自信の裏返し」と話す同社食品事業本部の福田純二ホームユース事業戦略部長。さらには採用された新容器では、持ちやすさや、生活者の使い切り期間を踏まえた最適な量(800g)、再生PETによるプラスチック使用量の削減にも大きく貢献する。
発表会では料理家・管理栄養士、フードビジネスコーディネーターの小山浩子氏が、食用油の「酸化」と「賢いとり方」について講演。家庭でできる油の酸化対策についてもアドバイスした。
2024年3月4日付
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