【千葉県】廃棄予定の落花生の薄皮をアップサイクルした「ピーナッツレザー」のアイテム販売中


地域に根差したエシカル素材開発を展開する柏レザーは、世界でも珍しい“落花生の薄皮そのもの”を活用したビーガンレザー「ピーナッツレザー」を開発し、商品化した。

数年前より注目を浴びているビーガンレザー

バッグ業界では数年前より、環境保護や動物愛護の観点から、植物由来のビーガンレザーが欧米を中心に世界中で注目を浴びている。民間調査によれば、ビーガンレザー市場は2022年〜2035年の間に約8%のCAGR(年平均成長率)で成長している。

海外ではリンゴの皮やサボテンの葉、廃棄コーヒー豆、きのこの菌糸体やパイナップルの葉などを原料としたビーガンレザーがすでに開発・販売されているが、海外製のビーガンレザー商品は価格が高く、国産のビーガンレザー商品も原料は海外からの輸入に頼っているのが現状。そんななか、柏レザーは、事業拠点である千葉県の名産品“落花生の薄皮”を原料とした「メイドインジャパン」の国産ビーガンレザーの開発に成功した。

廃棄されるピーナッツの薄皮を活用


千葉県の落花生は、日本全国の生産量に占める割合が85.1%と全国に誇る特産作物だが、加工商品を作る過程で多くの薄皮が廃棄されている。千葉県館山市にて落花生の栽培から製造・販売までを手掛ける木村ピーナッツでも、一日約10kgの薄皮が廃棄されていた。

柏レザーは、木村ピーナッツで廃棄予定の薄皮を使い、千葉県内の生地生産工場と連携し、環境に優しいアップサイクル製品「ピーナッツレザー」を開発した。試作を繰り返すなかで、ピーナッツの外側の皮ではなく、内側の薄皮の方が使いやすいことが判明し、生地生産工場が独自の技術で布生地に加工することで、世界では珍しいビーガンレザー「ピーナッツレザー」が誕生した。

環境に優しい革新的新素材


「ピーナッツレザー」は、落花生の薄皮とPVC(ポリ塩化ビニル)を適切に配合して作った合成レザー。動物由来の本革とは異なり、ロールの布生地として生産されるため加工性が高く、製品を製作した後に生じる端材も有効活用して余すことなく布生地を使用することができる。


レザーの風合いを持ちながら水や汚れ、虫害や腐食に強く、長持ちする素材であるため、さまざまな製品を製作することが可能だ。


現在、すでに海外製のビーガンレザーよりも価格を抑えて、鞄やポーチなどを直営の「NUIZA縫EMON柏本店」とオンラインショップにて販売しているが、今後はB to B向けのビジネスも展開し、街中の飲食店のソファ席や大型家具、自動車のシートなどにも展開していくことを目指している。柏レザーは、ピーナッツ生産者と併せて「ピーナッツレザー」の開発・生産ストーリーをより多くの人に知ってもらうことで、千葉県の落花生農家の人たちと世界中の買い手を繋げたいとしている。


また、「ピーナッツレザー」の認知を広めるため、10月10日(火)〜12日(木)に東京ビッグサイトにて開催されるファッション業界の大規模展示会「ファッションワールド 東京秋 2023年」にも出展する。

廃棄されるものに新たな命を吹き込み、“モノ・コト・ヒトでつながる未来”を創造し、持続可能な地域社会の実現に貢献していく柏レザー。廃棄されるピーナッツの薄皮をアップサイクルした「ピーナッツレザー」の商品をチェックしてみて。

柏レザーHP:http://kashiwaleather.jp
ファッションワールド 東京秋 2023年:https://www.fashion-tokyo.jp/autumn/ja-jp.html

■NUIZA縫EMON柏本店
住所:千葉県柏市柏2丁目7-9 グランディールビル柏1F

(山本えり)

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